1987年12月24日、日本中のロック・ファンを驚かせた渋谷公会堂(現C.C.Lemonホール)での"解散宣言"から20年目となる'07年にリリースされた2枚組ベスト・アルバム。"DRASTIC"には「DOWN TOWN SHUFFLE」「PLASTIC BOMB」「OH MY BEAT」といったパンキッシュなビートが鋭く突き刺さるナンバー、そして"DRAMATIC"には「わがままジュリエット」「CLOUDY HEART」「MEMORY」といったメロディアスな楽曲を中心にエディットされているのだが、ここから伝わってくるのは(凡庸な言い方ではあるが)何年たっても色あせることのない、その革新性である。ニューヨーク・パンク、ニューウェイブ、テクノの要素をセンス良く取り入れたハイパーなバンドサウンドと、まるでCMのコピーのようなキャッチーなフレーズをちりばめた歌謡曲的ソングライティングの融合。彼らが提示したフォーマットがその後における日本のロックの大きな指針になったことは、言うまでもないだろう。わずか7年の活動によってシーンを一変させたBOOWYは、功罪を含め、もっとも偉大なバンドなのだと思う。(森朋之)

これこそ入門編。 2010-04-30
僕にとってこの「DRASTIC」「DRAMATIC」両アルバムは「THISBOφWY」を凌ぐ出来だと思います。今作「DRASTIC」はパンク色の強いBOφWY初期の楽曲を中心にBOφWYの功績を紐解いて行きます。しかしパンクといってもパンクロックバンドに多く見られるただ怒鳴り散らすうるさいだけの自己満足バンドなのでは到底なく、ユニークでシニカルな歌詞、ポップで聴きやすい楽曲等並みのバンドには出来ない所業を為したバンドであると言える。また貴重な音源や映像もあるのでファンは勿論の事、またBOφWY初心者にもうってつけのアルバムと言えよう。ちなみに今作はパンクが嫌いな僕でも嫌悪感なく聴けた唯一のアルバムでもある。

あの頃・・・ 2009-08-21
あんなに短い期間だったのに。こんなに幅広いものを作っていたんだと改めて感じさせられた。

ＣＤ自体の音のクオリティーも増していて、非常に聞いていて心地良い。



今こうして聞くと、氷室の歌声も勿論、布袋のメロディーも然り…それ以前にリズムがいいなぁと思わされる。



こんなに熱く駆け上がることの出来る時代がまたやってくるのだろうか？



いや。来て欲しい…彼らのそんな思いが伝わる作品である

新世代の若者へ 2009-02-19
　私は現在16歳の高校一年生で、去年の暮れ頃に氷室京介(ソロ)のファンになり、その延長でBOΦWYも好きになりました。

　つまり、BOΦWY活動時期にはまだ生まれてもいない、皆さんの言う“新世代の若者”ですが、その立場から見ると、このアルバムはありがたいものだと思います。

　BOΦWYの前ベストアルバム『THIS BOΦWY』も聴きましたが、あっちになくてこっちにある、という良い曲が結構あるように感じましたよ。

　例えば｢FUNNY BOY｣なんか、私結構好きなんですが、『SINGLES』含め、どのベスト盤にも収録されておらず、音源としたらオリジナルアルバム『INSTANT LOVE』にしか収録されていません。

　また、｢RUNAWAY TRAIN｣も『BEAT EMOTION』のみの収録です。

　その他にもたくさんあります。

　そういう意味では、それらの楽曲をたった2枚にまとめて聴くことができるこのベスト盤は、かなり嬉しい。



　やはり、当時からのBOΦWYファンにとってみれば集金、金儲けとしか思えないんでしょうけど、EMIは恐らく新しい世代をターゲットに発売したんだと思います。

　だからこそ、ファンに対しては『LAST GIGS COMPLETE』を出した。

　それを考えると、私はそこまでEMIを批判する気にはなりません。



　批判の多い曲順に関しては、これはこれで新鮮でいいと思いますよ。

　決まり決まった曲順で作るより、シャッフル感覚でゴチャ混ぜにしてあるほうが、聴いていて飽きませんし。

　私はもともと氷室ファンで、彼のベスト盤を全て聴きましたが、最初は決まり決まって｢Angel｣ですよね(『Collective〜』『Ballad〜』を除き)。

　そこから｢ROXY｣や｢LOVE & GAME｣へ続く。このパターンが多すぎて、やはり飽きました。

　なので、こういうルールぶっ壊しの曲順はむしろ面白いと思いますよ。





　なんだか、批判的なレビューに対する返事や、EMIの擁護のような感じになってしまいましたが、BOΦWYをまだよく知らない私から言わせてもらうと、そこまで目くじら立てて怒るようなものでもない。

　ファン心理をどうのこうの、と言っていますが、それもわからなくはないけど、結局のところ、「こんなの欲しくない！」「要らない！」と思うなら買わなきゃいい。

　負けて購入してしまったがために、「ファン心理を利用してる」などと、EMIを批判するのはナンセンスだと思います。


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この記事は2010/8/6に作成しました。